予防接種とは

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乳幼児期は病気に対抗する力である免疫力が、まだ十分に発達していません。生まれた当初はお母さんから授かった免疫を持っていますが、数か月後にはそれが弱まり、さまざまな感染症にかかりやすくなります。本来、感染することで免疫力がついていきますが、感染症の中には重い後遺症の可能性があるものや、命にかかわるものもあります。それらのリスクを回避し、お子様を守るためにも、可能な範囲で予防接種をすることをお勧めします。

小児インフルエンザ予防接種のご案内

インフルエンザは毎年流行し、お子さまの体調を大きく崩す原因となります。重症化を防ぐために、予防接種による事前の備えが大切です。

当院では、お子さまの年齢や事情に合わせて2種類のワクチンをご用意しています。

注射タイプ(従来型ワクチン、1回目 3500円、2回目3500円)

フルミスト(経鼻スプレー型ワクチン、1回7500円)

接種のおすすめ時期

ワクチンの効果が出るまでには2週間ほどかかります。流行期に備えて、10〜11月の早めの接種がおすすめです。

ご予約について

どちらのワクチンも予約制となります。ご希望に合わせてお選びください。

2025年9月11日の0時からネットで予約可能です。(お電話で問い合わせて頂いても大丈夫です)

お子さまが冬を元気に過ごせるように、ぜひご家族での接種をご検討ください。

ワクチンの種類

お子さまのワクチン、ちょっと心配…そんな気持ちを持つご家族も多いと思います。

当院では、「何のために打つの?」「副反応は大丈夫?」といった疑問に、分かりやすく丁寧にお答えしています。無理に接種をすすめることはありません。ご家族の思いに寄り添いながら、一緒に安心して選べるようサポートします。

どんな小さな不安も遠慮なくご相談ください。お子さまが元気に過ごせるよう、私たちスタッフ一同、心をこめてお手伝いします。

当院では、お子さまの健康を守るためにさまざまなワクチンをご用意しています。「どのワクチンが必要?」「副反応は大丈夫?」と不安に思うこともあるかと思います。

ここでは、分かりやすくご紹介しますね。

B型肝炎ワクチン
赤ちゃんのうちに受けると肝臓の病気から守ってくれます。注射は少しチクッとしますが、副反応は少なめです。
小児用肺炎球菌ワクチン
肺炎や中耳炎、髄膜炎を予防します。特に小さなお子さまには大切なワクチンです。
五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)
ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、インフルエンザ菌の5つの病気から守ります。まとめて接種できるので、お子さまの負担も少なめです。
BCGワクチン
結核の予防ワクチンです。生後5〜8か月頃に接種します。
MRワクチン(麻しん・風しん混合)
麻しん(はしか)と風しんを予防します。発症すると重くなることがあるので、小さいうちにしっかり守りましょう。
水痘ワクチン(みずぼうそう)
かゆみや発疹を伴う水ぼうそうから守ります。
おたふくかぜワクチン
耳の下の腫れや発熱を伴うおたふくかぜを予防します。合併症のリスクも減らせます。
日本脳炎ワクチン
日本脳炎ウイルスによる脳炎から守ります。定期接種で安全に予防できます。
インフルエンザワクチン
毎年流行するインフルエンザから守ります。注射のほか、鼻から吸うタイプ(フルミスト)も選べます。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)
子宮頸がんは、将来女性のからだを守るために大切なワクチンです。ウイルスによって起こる病気を予防できます。

生ワクチンと
不活化ワクチンとは

予防接種に使用されるワクチンには、製造方法によって、いくつかの種類があります。代表的なものとしては、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。

「生ワクチン」は、生きたウイルスや細菌の毒性を最大限に弱めたものを使用するもので、強い免疫が得られやすいとされています。ただし生ワクチン同士を接種する場合は、27日(4週)以上、あけることが求められます。それ以外のワクチンとは同時接種も可能です。生ワクチンでつくられるものとしては、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルスなどのワクチンがあります。

「不活化ワクチン」とは、ウイルスや細菌を加熱処理、フェノール添加、ホルマリン処理、紫外線照射などで無害化(不活化)したもので、比較的、安全性が高いとされています。ただし生ワクチンに比べて、十分な免疫をつけるには、数回の接種が必要になります。不活化ワクチンでつくられるものとしては、ポリオ、日本脳炎、インフルエンザ、狂犬病などのワクチンがあります。

定期接種・任意接種とは

予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2つがあります。

「定期接種」は、予防接種法によって対象疾病、対象者および接種期間、接種の場所などが定められており、市町村が実施します。

「任意接種」のワクチンは、国がそれを使うことを認めているものの 、「予防接種法」で規定されていないワクチンのことです。接種に必要な費用は、原則、自費となります。

定期接種

定期接種は、国が「一定の年齢になったら受けるように努めなければいけない」(接種の勧奨)と規定しているワクチンです。接種費用は対象年齢内・規定回数内であれば、基本的に公費で負担されます(対象年齢や規定回数を超えたり、指定の医療機関以外で受けたりした場合の接種費用は、全額自己負担となります)。
万一、予防接種による健康被害が起きた場合は、予防接種法による救済措置があります。

定期予防接種の種類と回数および推奨年齢は以下のようになります

ワクチン 接種時期 接種回数
ロタウイルスワクチン(ロタテック) 〇 生後6週から生後32週目まで接種可能。
3回目は2回目の接種から4週間以上開ける
3回
ロタウイルスワクチン(ロタリックス) 〇 生後6週から生後24週目まで接種可能。
2回目は1回目の接種から4週間以上開ける
2回
ヒブワクチン ● 生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回 4回
小児用肺炎球菌ワクチン ● 生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回 4回
B型肝炎ワクチン ● 生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回 3回
5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib) ● 生後2ヵ月~2歳の誕生日前まで 4回
2種混合ワクチン(DT) ● 11歳〜13歳の誕生日前まで 1回
麻しん(はしか)・風しん混合ワクチン(MR) 〇 1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回 2回
水ぼうそう(水痘)ワクチン 〇 生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回 2回
日本脳炎ワクチン ● 6か月から90か月未満に3回、9~12歳の間に1回 4回
BCGワクチン 〇 5~8か月未満の間に接種 1回
子宮頸がんワクチン(HPV) ● 12歳から16歳の女子が対象 2~3回

ワクチンの種類:〇…生ワクチン、●…不活化ワクチン

任意接種

「任意接種」は、定期接種以外の予防接種で予防接種法の対象となっていないものです。「任意」とはありますが、どれも大切なものと考えられますので、医師にご相談ください。なお、費用は基本的に自費負担となります。

接種による健康被害が起きた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に基づく「医薬品副作用被害救済制度」による救済の対象となる場合があります。種類はおたふくかぜ、季節性インフルエンザなどです。

小児の任意予防接種は以下のようなものがあります

ワクチン 接種時期 接種回数
おたふくかぜワクチン 〇 1歳過ぎたら早期に接種、2回目は5歳以上7歳未満の間に接種 2回
3種混合ワクチン(DPT) ● 5歳~7歳の誕生日前までに1回、11歳~12歳までに1回
(2種混合(DT)の定期接種を行った方は不要です)
2回
インフルエンザワクチン ● 生後6ヵ月以降の全年齢が対象で、毎年流行前の10~11月に接種。
1回目と2回目の間隔は2~4週間ほど空ける
13歳未満は2回
ポリオ(IPV) ● 5歳~7歳の誕生日前までに1回 1回
A型肝炎ワクチン ● 1歳から接種可能、1回目から2回目は2~4週間の間隔で接種し、
その約半年後に3回目を接種
3回

ワクチンの種類:〇…生ワクチン、●…不活化ワクチン

A型肝炎ワクチンとポリオワクチンは海外の流行地に渡航される場合のみに接種をおすすめします。

ワクチンの種類や接種スケジュールについては、下記サイトもご参照ください。

ワクチンデビューは、生後2か月の誕生日